ROAD


‐SPECIALIZED TURBO CREO SL‐触って乗って試してまいりました

2020.Jan. 21

先日、未来の乗り物と触れ合う機会がございましたのでご紹介させていただきます。

いわゆるE-Bike、電動のモーターのついたロードバイク。SPECIALIZEDのTURBO CREO SLです。

世界中で飛躍的に人気の高まっているE-Bike。SPECIALIZEDから先日発表され数多くのメディアで取り上げられているのでご存じの方も多いはず。

ものすごく簡単に説明すると、軽量で扱いやすく、ただ楽をするためではなく、E-Bikeをスポーツとして楽しむことのできる初めてのE-ロードバイク。それがこのTURBO CREO SLです。

 

 

モーターとバッテリーを積み込み、さらにはそのライダーの出力+アシストという高い出力に耐えるためどうしても頑丈→重量増が避けられないe-bike。

モーター・バッテリーというE-Bikeの根幹ともいえる部分の開発まで自社で行うことで重量・サイズ・パワー、そしてライドクオリティーを高次元でバランスさせているのがこのTURBO CREO SLです。

ほとんどのE-BikeはSHIMANOやBOSCHのモーターありきで開発されています。なので、自社で開発したモーターを使用しているという事は「一台の完成したロードバイク」としてのエンジニアリングが一歩も二歩も先を行ってしまうわけです。今までE-Bikeの取り扱いのなかった当店からするとものすごい先の未来が一気に押し寄せたような感覚です。

今回はSPECIALIZED JAPANにてTURBOについての講習を受講しました。電動自転車についての日本の法律から、実際にバイクをばらしてモーターを触ったりバッテリーを着脱したりと色々勉強させていただきました。

実際モーターを持ってみると非常に軽く、これだったら12.2kg(S-WORKS)というE-Bikeとしては超軽量のバイクに仕上がることにも納得です。

ちなみに通常のロードバイクよりもモーターが外せる分フレームの内側が良く見えるのでカーボンフレーム内部まじまじと見てみました。バリやバルーンのカスなど全くない、フレームの外側と変わらないきれいな状態。直接性能にかかわる部分ではありませんが、SPECIALIZEDのバイクはしっかり作られているんだなぁと実感できます。

正直に言いますとE-Bike、日本ではアシストが24km/hまでしか効かないということもあり、特にロードバイクには懐疑的印象を持っていました。

モーターが付いていなくてもある程度のロードバイクである程度踏めば簡単に30km/hくらいは出ますし、登りはきついからこそ達成感もある。そんな風に思っていました。

そんな固定観念・先入観はペダルをひと漕ぎした瞬間に吹っ飛びました。

 

写真は厚木周辺では有名なショートヒルクライムスポット。今回講習を一緒に受けた皆さまと記念撮影したものなのですが、年齢が違えば脚力も違うこのメンバー全員が会話しながら同時に激坂を上ることができるのです。

 

平均斜度6.6%、ところどころ10%を超えるようないわゆる激坂。普通に走ったら息は絶え絶え。冬であっても登り切ったら汗だくになるようなプロフィールの登りです。それを若干顔が上気するくらいで、ペダルに力なんて込めずに回しているだけで登り切ってしまう。それもものすごくパワフルな進み方で。

もう登っている最中ずっと笑顔ですよね。こんなに楽しいかと。

落とし物か何かで後から登ってきた方がいましたが、10%前後の坂を恐ろしい速度で登ってきて思わず「はやっ」と声が出てしまいました。

 

初めてこのTURBO CREO SLについてSPECIALIZED JAPANにて説明を受けた際、世界が平になる、と言われまさかと思っていましたが、ある意味それは本当で、むしろ坂をわざわざ探して走りに行ってしまうのではないかと。

 

未舗装路も走りましたが、ロードでグラベルは24km/hギリギリ出なかったのでずっとアシストが効いていてまぁ楽しいこと。普通は嫌なちょっとしたきつめの上り返しなんてあればあるだけ楽しくなります。

平坦・下りでは当然アシストの効く24km/hを上回る速度が出てアシストは切れます。が、そもそものバイクの性能が高いからでしょう、急に重たくなってしまうようなことはありません。アシストの切れ方も自然でペダリングの違和感は全くありません。

さらにモーターやバッテリーにてバイクの重心は下がっているのでむしろ軽快です。平坦・下りでスピードが上がれば重量よりも風の抵抗の方が大きいはず。アシストの効いていない時でもロードバイクと遜色なく走ることができる、という正直ちょっとウソっぽい話を、人から聞くのではなく体験として信じることができた非常に有意義なライドでした。

 

アシストの効き方はペダリングというかケイデンスに対して自然にリニアに上がっていきます。これがもう気持ちがいい!としか言えない感覚。すっと進むとでも言いますか、お店に試乗車も設置予定ですのでその際はぜひ試してみてください。

 

アラフィリップをおじいちゃんがさくっと抜いていく有名な動画。一度TURBOに乗ればこれがやらせじゃないんだなというのがよくわかります。

ただ、個人的感想ですが、おじいちゃんがアラフィリップより速く登れるからすごいというだけではないんだと今回の講習やライドを通じて感じています。

脚力差を埋めてくれることで、とてもじゃないけど一緒に走るのが辛いような所で他のライダーと同じ時間を共有できたり、今まで行ってみようとも思わなかった場所や景色を探しに行ったり。

「遊びの幅が広がる」 これがTURBOの一番面白いところではないでしょうか。

 

今まだスポーツバイクに乗っていない方や年齢やケガでスポーツバイクを降りてしまった方も、自転車に乗って遊びに行く楽しさを感じてもらえるはずですし、普段モーターのない自転車を楽しんでいる私たちが乗ることでも、今までとは全く違った遊び方を発明してしまうかもしれません。

何よりカッコイイので乗りたくなりますよね。趣味の道具としてここだけはスポイルできない大事なところ。機能・性能の話は長くなってしまったのでまた次回させていただきます。

何を言いたかったかというと、あっさり想像を超える楽しい未来がもうそこまで来ていますよ、ということ。

SPECIALIZED TURBO CREO SL、期待大です。