ROAD


S-WORKS TARMAC DISC インプレッション

2018.May. 1

「かかりがイイ」

よく雑誌やネットのインプレ記事などで目にする言葉ですが、こんなに強く実感したのは初めての体験でした。

先日S-WORKS TARMAC DISCを数日SPECIALIZEDからお借りして試乗し倒させて頂きました。

ちょうど休日が雨と重なってしまい(雨もディスクブレーキを試すには最高かと思ったのですが、汚すのは申し訳ないので遠慮しました)長い登りは試していないのですが、横浜近郊の普段練習しているルートや通勤路や映えスポットなど、何度も何度も走っている道でしっかり走らせて頂きました。

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乗らせて頂いたTARMACはCLX50 DISCを履いたS-WORKS完成車。

TARMACと言うととにかく硬いイメージ、じゃじゃ馬のようなバイクのイメージを持っている方も多いと思うのですが、SL6にモデルチェンジした際にその点は完全にクリアになっています。

乗り慣れる必要のないニュートラルなハンドリングに快適性の高さ。普段快適性が非常に高く素直な乗り味のLOOK 795に乗っている私でも、路面からの微振動など不快に感じる事は全くありませんでした。特に快適性はリムブレーキのTARMACと比べてもより進化をしているように感じます。

ただ、快適性の高さはおまけみたいなもので、TARMACというロードバイクは「レスポンス」が真骨頂だと断言します。

激坂、TTコース、激下りと多様なコースで、それぞれ色々な走り方で確かめてみたのですが、どうやっても速い。

どんなトルク、どんなケイデンスでも伸びるように進みます。入力に対し反応がダイレクトなのでパワーをかけることが快感に変わります。

特に、ダンシングでL5以上の強いパワーを出した際のバイクの鋭い加速感。トルクのかかり始めから抜ける瞬間まで加速する、ギアがかかっている、という感覚にはしびれました。

快感のおかげだけではない、トルク効率の良さから、一定パワーでの持続時間が長くなるという恐ろしい結果もたたき出しました。久しく更新していなかった5分のCPを平坦で更新。速いバイクにありがちな、いつもより踏んでしまって(踏まされてしまって)すぐ垂れてしまうということもこのTARMACに関しては感じませんでした。いつもより踏んでいるのに垂れない。魔法のバイクです。

パワーメーターは普段と違うTARMAC純正のSPECIALIZEDのもの。いつも走っているセグメントでのタイムと照らし合わせましたがワットがずれていることはないと思います。ちなみにSPECIALIZED製のパワーメーター、左右両側それぞれ独立して計測。ANT+だけでなくBLUETOOTHにも対応しているのでiOSでZWIFTが簡単にできますよ。

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ディスクブレーキは少ない力で良く止まります。

最近SNS等でロードのディスクブレーキどうなんだっていう話題が再燃していましたが、ほとんどのシーンではメリットしかないと考えています。

プロ中のプロがディスクブレーキのバイクを避けるのは、レース中にパンクした時のホイール交換がリムブレーキよりも時間が掛かるため。制動力は低いよりも高い方がいいですし、雨による影響も少ない方がいいですよね。スルーアクスルによる剛性向上も走りの質を高めていることでしょう。重量によるデメリットもほとんどありません。S-WORKS TARMAC DISC 56はペダルレスで6.4kg。十分UCI規定を下回れます。輪行時の持ち運びや取付けを心配される方もいらっしゃいますが、数回練習すればしっかり取り付けられるようになります。

 

また、CLX50はさすがでした。ワイドリムにTURBO COTTON 26Cを履いた快適性の高さ、スピードの伸び具合、コーナーリング時のグリップ感。一度乗ったら23Cに8気圧入れたホイールセットなんて過去のもの。もう戻れない、最新のホイールのすばらしさを感じさせてくれます。50mmと高めのディープリムですが横風が気にならないのはリムプロファイルのおかげ。風洞実験施設を自社に持つSPECIALIZEDの得意とするところなのでしょう。

緩めの勾配から平坦、下り、と急勾配以外ほぼ全てのシーンで、エアボリュームがあるので路面の悪い所ももってこい、強力なアドバンテージです。(急勾配はCLX32ですかね)

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ここまで読んで頂いた方ならお分かりかと思いますが、完全に惚れました。

少しでもバイク選びの参考になれば幸いです。