NEW ENVE SES 3.4
2017.Nov. 3
細部をアップデートして新しい寸法になったENVE SES 3.4。
山岳用ホイールでありながらエアロダイナミクスの優位性を兼ね備えた万能ホイールでしたが、さらに昨今のトレンドに沿った設計になっています。
山岳コースでの使用を想定した軽量でエアロなオールラウンダーであるSES 3.4。
旧モデルではリム高フロント35mm・リア45mm、リム幅フロント26mm・リア24mmという前後異高・異幅をもつリムプロファイルが特徴でしたが、新しいモデルではリムの高さ・幅ともに見直されています。
前後高さを変えてエアロ効果を最大化するシステムは変わらないものの、フロントは35mmから38mmへ、リアは45mmから42mmへ変更されました。
リム幅は27.5mmで前後統一のワイドリムへ。
25mmタイヤ装着時の転がり抵抗の削減、軽量とエアロのバランスの最適化など、風洞実験などのテスト結果から設計されたようです。
リムのワイド化の潮流は止まらないですね。
太くても軽いタイヤ・リムが多く開発されてきたこと、そして重量以上に転がり抵抗が重要だと言う事が実験結果などからはっきりしてきているのでしょう。
ナローリムで25cタイヤを履くとどうしても挙動がもっさりする感覚があります。それに加えてタイヤの重量増もあるので余計にそういった感覚を感じやすいのですが、ワイドリムだとその感覚はなくなります。
もともとタイヤ重量は23cと25cではそんなに大きく変わらないです。例えばPIRELLI P ZERO VELOで言うと23cが195g、25cが210gです。ちなみにタイヤ外周はタイヤが太くなることで長くなります。
話を戻して、同じタイヤでもワイドリム化により土台が広がることで、タイヤ断面の変形率が抑えられキレの悪さは感じずに、タイヤを23⇒25へ太くしたメリットがより多く享受できるようになります。
単純な前面投影面積は広がるはずですが、横風の巻き込みなどに対するエアロ効果も向上し、多くのシーンで使いやすくなっていることは間違いないです。
これから選ぶならワイドリムで間違いないのですが、後は幅広になることでのリム重量増とどこまでトレードオフできるか、というところが決め手になってくるのではないでしょうか?フレームクリアランスとの兼ね合いもありますので、太いタイヤを履けないフレームの方はご注意ください。
もう一つ忘れてはいけないのはブレーキ性能。
ブレーキ面が以前のENVEとは比較にならないほど進化しています。
ウェット時でもドライの状態とほぼ変わらないブレーキフィーリングを可能にするという高い制動力。さらに熱に強い素材を使用しているので、摩擦熱によるリムの変形や劣化、熱ダレにも強くなっています。
またこちらのクリンチャーモデルは昨今話題のチューブレスにも対応しています。チューブレスキットが付属で付くのでさらなる転がり抵抗の削減を求める方にも。
もちろんチューブを入れて通常のクリンチャーとしてもお使いいただけます。
ハブは信頼のクリスキングを。スポークも信頼のSAPIM CX-RAYで。
どちらも寸法・精度・仕上げなど選ばれる価値のある素晴らしいプロダクトです。一度は使ってみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
しっかりメンテナンスが可能なMADE IN USAの高性能ハブ。こちらはブラックですが、他のお色をお考えの方もご相談ください。
このENVEの様に、ホイールという完成したパーツを選ぶのではなく、リム・ハブ・スポークと用途に合わせてホイールを組む、いわゆる手組ホイールというDEEPな世界へのご案内も行っております。
ENVE×KINGという至高の選択ももちろんですが、その他にもONIX・WHITE INDUSTRIES・DT SWISSなどなど、素晴らしいハブやスポークの選定など、お客様の体重や使い方によって変わるべきであるホイール選びについて、ご案内できることはたくさんあります。
転がり抵抗・エアロ・ワイドという言葉の目立つブログになりました。リム重量だけ気にしてホイールを選ぶ時代は終わったみたいです。手組みホイールこそ至高であるなんて言うつもりはないので、完組ホイールも含め価格・性能・ルックス、フレームとの相性(硬い柔らかいもそうですがブランド的なところも気になっちゃいますよね)などなどから色々とご提案できるかと思います。
どのホイールにしようか悩むのはとっても楽しい遊びなのですが、走ったらもっと楽しいですよ。ご相談下さい。