ROAD


ロードバイクのタイヤ 空気圧の話 2023ver.

2023.Jun. 9

昨年までと比較してライドイベントが盛んに行われ、参加される方も増え、それと同時にイベントに合わせてタイヤを新調される方が増えている印象です。

その際に、色々ライドされるフィールドや何をタイヤに求めているかなど、最近だとチューブレスへの移行も含めて、そのメリットデメリットなどご案内させていただいてます。

で、持ち帰ってご自分で交換される方もいらっしゃいますし、我々の方で作業させていただく場合もございます。その際、普段どのくらいの空気圧で乗っているか伺うと、驚くほど高い空気圧で乗られている方がまだまだ多いのが現状です。特にロードバイクは高圧で乗る文化が根深く「とりあえず7気圧神話」を信じている方も布教している方もいるようです。そろそろやめましょう。

当店でもかなり昔に書いた空気圧啓発ブログがいまだに良く見られているので悩んでいる方も多いのでしょう。安全にも直結します。読んだら実践して家族や友人にも布教してください。

ただ闇雲に低い空気圧にすればいいと言う話ではなく、正しい空気圧にセットしましょう。

正しい空気圧にすることで、転がり抵抗を抑えトラクションそしてグリップを最大化し快適な乗り心地をも得ることができます。

空気圧が高い方が踏み心地が軽く、転がり抵抗が低いor速く走れる気がしてしまいますが、それは板張りのトラックや実験室での話。実際には正しい空気圧以上だと、アスファルトの細かな凹凸でバイクは跳ね、ロス・抵抗を生んでしまいます。あんまり低すぎてもパンクのリスクや転がり抵抗が増えてしまって良くないです。

体重や車重、タイヤ・ホイールのプロフィールを入力すると推奨空気圧を出してくれる便利なサイトがあるのでご紹介いたします。

SRAM Tire Pressure Guide

今日の自分のセットアップだとこんな感じ。チューブレスだから、ということもありますが低いと感じた方が多いのではないでしょうか。

あくまで推奨値なのでここから少し足し引きして乗ってみてベターなところを探ってみてください。

ちなみに今自分はCorsa PRO 26cを推奨値もチェックしつつ色々試した結果「前4.2後4.4bar」くらいで乗っています。富士ヒルも。決戦の日だからって空気圧高くすると良いことないのは経験済み。どちらかと言えば「ちょっと高い」よりも「ちょっと低い」の方がデメリットが少ないです。

で、その空気圧ですが「いつも同じ空気圧計で計測する」のが大事です。

全てのポンプとゲージは同じように作られているわけではなく、さらには個体差もあるので数値は大きく異なる場合があります。例えば僕の自宅用ポンプは0.5barくらい低い数値が出ます。わかった上で同じポンプで空気を入れていれば問題ありませんが、いつもそうとは限らないので携帯できる空気圧計を持っておくと便利です。

今お店ではPanaracerの物を常時在庫するよう努めています。僕もこれを使っていて、特に新しい銘柄・サイズのタイヤに変えた時なんかは常に持って計って試してます。オススメです。

 

当たり前のことばかり書いてきましたので少し2023ver.っぽい内容も取り入れていきましょう。

パンクするのが怖いから、という理由で高圧にしている方も多いでしょう。確かにパンクしたタイヤを路肩で修理するほど非効率なことはありませんね。その現時点での最適解の一つが「チューブレス」です。

チューブレスなら低圧でもパンクしない!わけではないのですが、パンクの可能性をかなり低くしてくれます。基本的にシーラントを必要とする「チューブレスレディ」の商品が多いと思いますが、シーラントは小さな穴なら塞ぐことが可能です。

ただし、大事なのは低圧で走ることではなく、正しい空気圧で走ることです。何が言いたいかと言うと、近年機材の進化により正しい空気圧がどんどん低くなっている、そしてそういう機材が選ばれるようになっている、ということです。

はい、ポガチャルです。彼の属するUAEエミレーツは今期よりENVEのホイールを使っています。多くのレースでエアロ性能の高いSES4.5。勾配がきつい箇所が勝負どころのレースでは軽量なSES3.4を使っているようです。

上記ENVEホイールはどちらもフックレスのワイドリム。内幅25mmでタイヤはチューブレスオンリーかつ28cからしか使えません。それを僕で計算してみると、、、

こんなに低圧になりました。【チューブレス × 低圧 × ワイドリム】というENVE哲学に則った数値。路面の荒れがちな春のクラシックレースでポガチャルが大暴れしていたのは記憶に新しいと思いますが、先日のGiroでも同チームアルメイダが3位とグランツールでもその性能が発揮されています。ちなみにタイヤはGP5000S TRで主に28c、レースによっては30cを使っているようです。

 

またGiro優勝のログリッチ、山岳ステージで軽量なR5+軽量なホイールを使っている日でもタイヤは軽量な26cではなく28cを使用。彼らの使うVittoria Corsa PROは非常にしなやかなタイヤで、それを最大限に生かすためには28cで低圧がマスト(orベター)、ということかもしれません。

 

かと言って、レースやイベント前に急に何barも気圧を落とすのはオススメしません。ある程度乗って試して自信を持ってその空気圧でライドに臨むために事前にタイヤも用意して試しておきましょう。

タイヤは自転車パーツの中でもコストパフォーマンスが抜群に高いアイテム。ここ最近は先日ブログでもご紹介したGP5000 TT TRやCorsa PROなど面白いタイヤが入荷してきています。ENVEのタイヤも低圧運用前提で作られている&よく見ると超軽量で魅力的です。

チューブレスバルブもシーラントで詰まってくると空気圧が正確に計れなくなるのでたまに交換した方が良いです。なんだか空気が入れにくいなぁ、がその予兆です。いくつかの長さ・種類で常時在庫しています。コアだけ変えればよい場合も多いのでそれも置いてます。コアだけなら¥500以下なので定期的に変えるのも良いですね。

 

色々言いましたが僕らはまだまだクリンチャーにも可能性を感じています。TLRと比べると明らかに軽いし取り扱いも簡単。なんだかんだ使い勝手の良いブチルチューブも一般的な物と軽量なタイプ、TPUチューブやSOYOラテックスなどの攻めたチューブも常時在庫しています。

チューブラータイヤは常時在庫はしてません。ごめんなさい、取寄せさせてください。ただ、手に入れにくくなってしまったチューブラーテープはエフェットマリポサでなるべく在庫するようにしています。

 

ご使用環境や好み、例えばこんなレースが目標などスタッフまでご相談ください。お客様と一緒により良いタイヤセットアップを考えご案内させていただきます。