NEW ROVAL 乗ってきました「Rapide Sprint CLX」「Rapide CLX III」
2025.Jun. 27
「常識を打ち破り、速さを極める。ロードレースホイールの常識を覆す、「Rapide Sprint CLX」「Rapide CLX III」「Rapide CL III」が登場。」
ということでSPECIALIZED JAPAN様の計らいで開催されたスタッフ向け試乗会に行って新しいROVALはどんなものか?開発者の方から直接お話を聞いて試してきました。
今期Sprintを履いたメルリールが勝ちまくっていることはご存じでしょうか?パリ五輪TTではレムコがフロントにSprintを採用して金メダルを取ったりすでに勝利を挙げまくっているホイールです。
クイックステップやBORA、SDワークスにFDJの活躍したレースで履いていたホイールに改めて注目してみてみると面白いですよ。
スペックは本家を見ていただきたいのと、今後この最速ホイールが最速たるエビデンス等、ガンガン出てくると思いますので乗った感想を中心にお届けします。
試乗車のSW TARMAC SL8に新ホイールをつけていただいて同じコースを1周ずつ、ホイールを付け替えて走りました。
試したのはハイエンドモデル2つ。「Rapide Sprint CLX」「Rapide CLX III」。私は先に「Sprint」の方から乗りました。試乗車に先についていたのがSprintだっただけで他意はありません。
タイヤはどちらもクリンチャーのCOTTON28c、空気圧は4.5Barくらいにそれぞれ揃えて乗りました。
自分のバイクではありませんが同じTARMAC SL8なので「バイクが良すぎてわけわかんない」という状況にはなっていないと思います。
Rapide Sprint CLX
乗って10mくらいでしょうか。まだ3ペダリングくらいの時点で「なんかおかしいぞ」と思い始めました。さらに10m進み「ああ、やっぱりなんか進む気がする」。
試乗コース序盤は信号の多い市街地をゆっくり走らなくてはいけないのですが、上記なんか変な感じ、ちょっと異質なスピード感にドキドキわくわくしながら走りました。
SPECIALIZED JAPANは比較的私の自宅から近く、試乗コースの一部は良く通るルート。ちょうどその区間、1~2%でじわっと上る信号間の長い道に入ったところで我慢の限界を迎え全開走行。スピードはどんどん乗って上りでも40km/hをあっさり越えました。ちなみに普段通った時にそんなスピードは出たことありません。
フロント63mm、リア58mmのいわゆるディープリム。
正直私はディープホイールがあまり好きではありません。加速がかったるくてちょっと重いけど、スピードに乗ると速い、勾配がある程度あっても結局速い、だけどローハイトの軽いホイールの方が楽しいんだよなあ、、、ってのがよくあるディープホイールの印象なのですが、そのネガ部分を丸々無くしたのが「Rapide Sprint CLX」でした。
「ガンガン加速するし、スピードに乗ったら最高に速い、勾配があっても全然速い」という感じ。
誇張ではなく、今まで乗ったホイールの中で一番速いと思ってます。
こう言うと「硬すぎて脚に来ちゃうんじゃないの?」とか思われるんじゃないかと思いますが、まったくそんなことありませんでした。逆に不足も感じませんでした。この辺り、剛性感の調整はステンレス→カーボンスポークとなることでかなり綿密に仕上げられているようです。乗り味はステンレスに近づけて重量を削減する、というのを目標にしたようで、きっと近日開発ストーリーが公開されると思います。
ちなみに内幅21mmについても質問してきましたが、明確にエビデンスに基づいて決められたもののようで、21mmが一番速いから21mmにしたとのことでした。こちらもきっと近日開発ストーリーが公開されると思います。大丈夫、信用できそうでした。
比較的勾配のある箇所も走りましたが短い上りだったので、ヒルクライムのような長時間の上りはわかりませんがとにかく速い。
ロードレースを主軸として走る方なら「Rapide Sprint CLX」かなと。言い過ぎかもしれませんが、当時VENGEが出た時のような、これ履いていないと勝負にならない問題が起きるのではないかと感じています。なので自分用に欲しいです。
軽いのに踏み切った後伸びるディープリム特有のアドバンテージを持つヤバイホイールでした。
Rapide CLX III
不運なのは私が先にRapide Sprint CLXという尖りまくったホイールを先に試乗してしまった点。最速ホイールと比較すると乗り初めに感じた異質な感覚、ホイールがスピードの爆発を待っているような感覚はありませんでした。
ただじわじわスピードが上がっていくと明確に軽さを感じます。踏み込む足が軽いんです。加えて旧来のROVALに希薄だったシャキシャキ感も強く感じました。
上りに入るとそれは顕著で、普通勾配0%から1%以上、平坦から上りになると登り始めたのがわかるじゃないですか。それを脚が感じないんですよね。平坦同様軽くスルスルと回しているままに上っていきます。
当然強く踏めばしっかりかかって非常に強い加速感が得られます。ハイペースの上り途中でアタック、なんてシーンには最適かと。富士ヒルクライムのような長いけど比較的スピードの出るヒルクライムでも強い武器になってくれると思います。修善寺もこっちですね。
軽いが故のライドの楽しさはSprint以上かもしれません。もっと言えば同社ALPINIST大丈夫か?と心配になってしまうレベルで軽快です。軽くて速くて、多くの人のストライクゾーンど真ん中にはまるのはこの「Rapide CLX III」じゃないかと思います。
試乗中どちらかというと「Rapide CLX III」の方が踏み倒して楽しく遊ばせていただいていたような記憶がございます。「ロング行くんならこっちかなぁ」と一緒に走った当店スタッフとも話しておりました。
乗車中、ふとした瞬間に恐ろしい軽さを感じる楽しいホイールでした。
なかなか短い試乗で全てを理解するのは難しいです。が、どちらも全開で走ったので雰囲気は掴んでるつもりですし、自分が買うかもしれないのでしっかり味わっております。
話してよいのか分からない直接お伺いした小話のようなものも色々仕入れてきました。全部聞いたら欲しくなってしまいますので全部聞きにいらしてください。
開発者の方のお話で印象的だったのが、一番に取り組んだ点は「安全性」だということ。ツールを走るようなプロはもちろんですが、我々のようなホビーライダーでも、走り出して無事に家に帰るというのは何よりも大切にしなければいけないことです。
スポークの生産が追い付いていないようで入荷は少しずつ、「Rapide CLX III」を中心に入ってくるようです。
絶対手に入れたい方や「Rapide Sprint CLX」が気になりすぎる方はお早めにご相談ください。