ROAD


BIANCHI “NEW OLTRE” 試乗させていただきました

2023.Mar. 26

先日BIANCHIの新型オルトレ、試乗会が行われるという事で興味津々で行ってまいりました。

ビアンキ初の”エアロハイパーバイク”。とにかくスピードにこだわって作られた新しいOLTRE。

今までのビアンキとは全く異なるイメージだったり特徴的なコクピットなど、今年話題の1台でもあります。

せっかく乗ってきましたのでこのNEWバイクのご紹介&インプレもお届けさせていただきます。

高速化が進むプロトンにおいて、「エアロ」は無視することが出来ない重要な要素。

これに対してBIANCHIの出した答えは「システムの一部としてバイクを設計すること」

バイクには当然ライダーが乗っており、その空気抵抗はバイクが20%、残りの80%はその上に乗るライダーに対してのもの。これに基づいてライダーを設計プロセスの中心に据え、これまでとはまったく違う、ライダーとバイクが一体となった時に最大の空力性能を発揮するよう設計されています。

その最たる例はこちら、エアディフレクター。UCIから物言いがついて、、、と話題にもなりましたね。

空気効率を最大化するためモータースポーツから着想を得たようで、ヘッドチューブ側面を整流し、ヘッドチューブ後部に低気圧エリアを作り出すというもの。

ライダーの脚周辺に当たる風を少なくするということです。

嘘みたいですがこれが結構効いていて、いいスピードで走っている時にエアディフレクターの後部周辺に手をかざすと明らかに手に当たる風が弱くなりました。嘘みたいですよね。本当なんですよ。ビックリしました。

 

ちなみにエアディフレクター、UCIルール違反です。UCIレース、またはそれに準じたルールを適用しているレースでは使わないようにしましょう。KOMハンティング用途には最適かと。

もっと言うと、BIANCHIはエアディフレクター未装着の状態でこの新型OLTREのUCI認証を取得したとのことです。

そして特徴的なコクピット。

新型OLTREを代表するルックスとも言えるでしょうか。

低いスタックにせりあがるステム。中央に穴が開き上面にはヴォーテックスジェネレーター。

フレームを小さくして空力を稼ぐ手法は知られていますが、ハンドル中央の空洞はエアディフレクター同様の働きをし、ライダーの脚部前方に低圧ゾーンを作るようです。

 

一体型ハンドルは細かい調整ができない点が大きなデメリットではありますが、それ以上に空力・剛性・重量など多大なメリットがあることも間違いありません。私的にはすごく使いやすい形と感じました。エンド部よりもブラケットが20mm狭くなっているハの字形状というのも好印象です。

はい、ヴォーテックスジェネレーターです。

先のハンドル上面とこちらフロントフォークエンド部、そしてエアディフレクターを外したところに付けるグロメットがこの長細い突起状の形をしており、境界層剥離による圧力抗力の発生を防いでくれます。単純にスルーアクスルの穴が貫通していないところも好印象ですね。

ちょっと説明が長くなってしまいましたが、私も発表前、そして今回の試乗前にもっと詳しく説明を受けました。

その説明を受けて、なぜか先入観で想像していたのが、めちゃくちゃ速いけど乗り心地とか乗り味とかハンドリングとか、何かビアンキらしさみたいなものが破綻した恐ろしく硬いバイク。

最初に試乗したのは最もマッシブな印象のあるハイエンド、OLTRE RC。

全然違いました。すみません、なめてました。めっちゃ良かったです。

 

挙動は素直で軽く安定している。初めて乗るサドル高くらいしか合っていないバイクとは思えないニュートラルな操作感。

踏んだ分以上にバイクが伸びる感覚に驚くのと同時に、とってもシルキーで上質な乗り心地にも驚かされる。こんなに速いのに乗り心地いいなんてどうなってんの?という驚きです。

剛性の高さも感じるのですが、それ以上に軽さが際立つ&快適性が高いのでイヤな印象は一切ナシ。ついつい踏みたくなっちゃうのは良いバイクの性なのでしょうがないとして、おそらくホイールも良いので軽~く回していても速い&気持ちがいいです。

実際重量も軽くサイズ55のOLTRE RCで6.85kg。反応も良く、登りが不得意なんてこともまったくありません。

見た目に奇抜というか異形というか、少なくとも私はその見た目からは想像もできなかった上質な乗り味。

エアロ&スピードに全振りしたハイパーエアロロード、だけではこのバイクを言い表せていなくって、BIANCHIのバイクが持つ上質な乗り味はまったく失われずにこのバイクの根幹をなしていました。

特にOLTRE RCはトータルでのバランスが完璧。重量に剛性感、快適性の高さ、パーツをピックアップしても3Dプリントされたサドルはビアンキのバイクでなくても着けたくなるほど。28cのピレリタイヤもホイール・バイクの良さをさらに向上させているような印象。

BIANCHIのハイエンドに相応しい、ものすごい良いバイクでした。

 

試乗コースは短いものでしたが多くのシチュエーションの試せるいいコースで、OLTRE RC、OLTRE PRO、無印のOLTRE、他SPECIALLISIMAなど乗りましたが違いを実感できる部分も多く面白かったです。

荒れたアスファルトでカウンターヴェイルなしのOLTRE RCでも振動はおとなしく、でもやはりカウンターヴェイル搭載のOLTRE PROだと衝撃が丸くなったような印象があったり、無印もいいなあ、SPECIALLISIMAはやっぱり上質だ、などなど、楽しませていただきながら理解を深められました。

 

当店にも新型OLTRE入荷してまいります。

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