MTB


サスペンションセッティング2018 ~サグ調整 編~

2018.Apr. 15

前回のサグの測定で現状のサグが分かったと思いますので
今日はサグの調整でお送りします!
ざっくりサグのレンジは25%~30%前後、多く設定するバイクでも35%程度となります。

最近取り扱いを開始したEVILを例に挙げると、
FOLLOWING MB (27.5) / 120mmストローク / 22.2%~28.8%
CALLING (27.5 or 26+) / 130mmストローク / 30%~34%
INSURGENT (27.5) / 151mmストローク / 26.3%~29.8%
WRECKONING (29er) / 161mmストローク / 23.8%~26.9%

上記が推奨のサグ値となります。

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またEVILのフレームはサグのインジケーターがリンクに内蔵されているので設定の確認が容易です。

車種のカテゴリー、ストローク量、ホイールサイズ等の違いで多少のバラつきは有りますが
25%~30%前後がどの様な車種にも当てはまるという事が分ります。
サグの量は、ストロークに関わらず最低でも20%以上が必要になります。
バイク、フレームのマニュアルにサグ値が記載されている場合はその数値で
マニュアルにサグの記載がない場合等は25%~30%程度に設定して下さい。
フォークに関してはFOX RACING SHOXは15%~20%、
ROCKSHOXはショートストロークモデル10%~20% / ロングストロークモデル20%~30%が目安となります。

サグの量は、走るフィールド、ライダーのレベル等でも変わって来ますので
ご自身に合った量は、基本の設定にした上で実際に乗りながら煮詰めて行きましょう。
それではサグを調整してみましょう!

サグが多すぎた方はサスペンションのエアー圧、スプリングレートを下げる方向、
逆にサグが少なすぎた方はエアー圧、スプリングレートを上げる方向となります。

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まず、フロントフォークの調整です。
サグの差が少ない場合はエアー圧を5psi程度ずつ増減する事で設定したいサグに近づけて行きます。
差が大きい場合は調整するエアー圧を大きく増減させます。
コイルスプリングの場合、サグが大きく外れておらず、尚且つ少ない際はプリロード※を掛けて行く事で調整します。
※プリロード:スプリングは縮める事で反力が生まれる為、予備加圧する事で動き出しに必要な力を大きくする事が出来ます。
プリロードを掛けても対応出来ない場合、サグが少ない場合はスプリングの交換となります。

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プリロードダイヤルが付いているフォークは時計回りにダイヤルを回す事でプリロードを強くする事が出来ます。
ダイヤルが無いフォークは内部のスペーサーの増減でプリロードを調整します。

次に、リアユニットの調整です。

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サグの差が少ない場合はエアー圧を5psi程度ずつ増減する事で設定したいサグに近づけて行きます。
差が大きい場合は調整するエアー圧を大きく増減させます。

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コイルスプリングの場合、サグが大きく外れておらず、尚且つ少ない際はプリロードを掛ける事で調整します。
この時プリロードリングの締め込みは2~3回転が限度のユニットが多いです。
調整する際にプリロードリングにマーカー等で、基点としての目印を付けておくと作業効率が上がります。
プリロードを掛けてもサグが多い場合や、現状のスプリングでサグが少ない場合はスプリングの交換が必要になります。
上記の調整を行い、再度バイクに跨りサグを測ります。
ほとんどの場合、1回でサグの調整は終わりませんので
調整 → サグの計測 → 調整 → サグの計測 → 調整・・・・・・。
とサグの設定が出来るまで繰り返します。

サグの設定はサスペンションセッティングの基本中の基本になりますので根気よく繰り返して下さい!!
バイクがフロントサスペンションのみの場合は比較的早く設定が終わりますが、
なかなか大変なのがフルサスペンションバイクです。
フロントのサグが増えればバイクが前に傾き、リアに掛かっていた荷重がフロントに移動してリアのサグが減ります。
リアのサグを再度調整しなければならない為、リアのサグを増やす調整を行います。
リアのサグを増やせばバイクが後ろに傾き、フロントに掛かっていた荷重がリアに移動してフロントのサグが減ります・・・。
と言った作業を繰り返す事でサグの調整が終わります。

ここで妥協して調整を終わらせない事!セッティングのベースとなりますのできっちり行いましょう!!
余談ですが、最近はエアースプリングユニットの進化が著しくオールジャンルで採用される様になって来ました。
コイルスプリングよりも細かいセットアップが可能でフィーリングも遜色無し!
より正確なセッティングの為に、デジタルサスペンションポンプが登場!

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アナログメーターではザックリとしか測定する事の出来なかったエアー圧がなんと”1psi”単位で調整可能!
しかも100psi未満では1psi以下の表示も!?セッティングにこだわるライダーにマストなアイテムです。

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オマケで更にこだわるライダーにお勧めなのがポンプヘッドに装着して使用するアダプター。
バルブコアを閉じてからポンプをフォーク、ユニットから外す事が出来るのでエアー漏れの心配が皆無!
もちろん私もデジタルポンプ+アダプターで使用しています。
と、脱線してしまいましたがサグの調整はばっちりですか?
これでサスペンションセッティングの基本が完了です!
お疲れ様でした!!

本日はサグの調整でお送りしました。
次回からはダンパーや気室の調整に移っていきたいと思います!!