MTB


新型XTRの試乗会に行ってきました!

2025.Jun. 20

7年ぶりのフルモデルチェンジということで業界内外から注目を集めまくっている新型XTR。

その試乗会にお呼ばれしたので行ってまいりました。

シマノが満を持して放つMTBコンポの性能はいかに!?

 

会場はフォレストアドベンチャー横浜。馴染み深い近場のフィールドでありがたいです。

さすがにシマノ主催の試乗会となると規模も大きいので、他にも富士見パノラマなど複数の場所で開催されています。

 

さて、今回のXTRですがどういった点がトピックスなのか軽くおさらいしておきましょう。

要約に要約を重ねると次の2点。

・電動変速が復活した(機械式変速は廃止)

・ブレーキ性能の大幅向上

 

要するに変速とブレーキの両方が死ぬほどパワーアップしているということなんですが、ただそれだけではなく従来にはなかった機能が色々と追加されています。

また、フロントダブルを廃してフロントシングル仕様のみに舵を切ってきた点にも注目。

昨今のMTB市場で遅れを取ってきたシマノの、再び覇権を握らんとする意欲を強く感じます。

 

その意欲を最も強く感じたのがシフター。

イチから再設計したということでこれまで存在したどのシフターにも似ていません。

 

際立った特徴としてロードのSTIの隠しボタンに相当するボタンが設けられ、これに様々な機能を割り当てることが可能です。

例えば変速調整モードへの切り替えをこのボタンから行うことができ、走りながら変速調整するなんてこともできます。

 

シフトボタン(パドル)は奥まで押し込むことで2段階クリックができます。(1段のみに固定することも可能。)

機械式のような瞬時の多段変速をDi2でも再現したという感じですね。

パドルの位置は様々に調整できてエルゴノミック度も高いです。

 

RDはバッテリー内蔵。つまり、シマノ初のフルワイヤレス仕様です。

期待されていたフルマウント仕様でこそないものの、障害物にヒットした時にも力を逃がすように動いてくれるなど、フルマウントではないながらも強度や耐久性は万全。

そして後述しますが変速性能は・・・異次元です。

 

そしてこのディレイラー、ロードのSTIレバーとも互換性があります。

グラベルバイクをフロントシングルのDi2で組む際にはこれを使うという選択肢が出来ました。

 

また、クランク・ブレーキレバー・ブレーキキャリパーはXC向けとエンデューロ向けの2種類があり、それぞれ細かく作り分けられています。

ブレーキレバーで言えばXCだとレバーブレードがカーボン製でより軽量になっていたり、エンデューロの方はアルミで全体がガッチリした作りになっているなど。

想定されるポジションに応じてレバーの角度もそれぞれで違います。

 

キャリパーも従来通り2ピストンと4ピストンが用意されているのですが、4ピストン用はなんとワンピースのモノブロック構造になっています。

ピストンリングやピストンにも改良が加えられ、従来よりも不具合が生じにくくなっているようです。

ピストンリングがピストンを掴みきれずにクリアランスに異常が生じる・・・といった事が起きにくいということですね

 

事前リークで非常に注目されていた新開発の低粘度オイル。

温度変化による粘度の変化が少なくなっており、極端な寒冷地など従来のミネラルオイルが苦手としていたフィールドでの動作性が向上。

今までより沸点も高くなっている?

 

寒冷地云々は置いといて、ブリーディング時のエア抜けの良さや動作の軽さなども期待できそうですね。

残念ながら従来のコンポーネントには未対応とのことです。

 

さて、プレゼンも終了していよいよ試乗タイム。

代理店のスタッフさんにも色々と話を聞かせてもらいつつ、いざ実走!

(撮影協力:GROVE鎌倉/GROVE青葉台)

 

まずは軽く変速の具合から見てみました。

いやぁ、これはすごい・・・

現行の12速ロードコンポの変速性能をそのままMTBでも味わえる的なことを事前に聞いていたのですが、まさにそんな感じ。

しかも凄いのが、トルクがかかっている状態でもパワフルにRDが動いて滑らかに変速するという点です。

 

自分のロードをM9050系のXTR Di2で組んでいたことがあるのでかつての性能は良く知っていますが、本当に別物。

変速の速さ、ショックの少なさ。同じDi2でも11速の頃とは比べ物になりません。

これだけの性能の前ではRDがフルマウントではないなんて些末なことです。

 

ブレーキについても制動力の向上が著しいです。

シマノらしくガツンと効く感じですが、そこから握り込んでいった時のコントローラビリティがかなり改善されています。

低粘度オイルの感触は正直わかりませんでしたが、レバーに関してはピボット位置が手前に近づいたことでかなり引きやすくなりましたね。

 

ちなみに会場には昨日発表されたばかりのXTの姿も。

もちろん乗り比べてみましたが、私程度のインプレ力ではXTRとの差はほとんど感じられなかったです。

DEORE Di2共々、ホビーライダーにとっては非常に有力な選択肢となることでしょう。

 

それにしても系列店スタッフの楽しそうなこと。

乗るといつだって笑顔になれてしまう、MTBの楽しさは自転車の中でも格別だなと思いました。

 

そして新型XTRやXTを使えばライドの楽しさは更なるものになることでしょう。

既にデリバリーは始まっていますので、皆様のご注文お待ちしております!